皆さんは【認知症(にんちしょう)】や【痴呆症(ちほうしょう)】と聞いて
どのような感覚をお持ちでしょうか?
高齢者の方のみが、なるものでしょうか?
1部の人のみが、なるものでしょうか?
御存知の方も多いと思いますが、認知症には
【若年性】のものもあり、それは決して
「他人事」でも「めずらしい事」でもありません。
先日参加させて頂いた、介護・福祉の講習で
あるお手紙を、資料として頂きました。
この手紙は、実際に福祉大学の講義でも
使われているとの事でしたので、講師の方に了解を頂いたうえで
一部を伏せて、ご紹介させて頂きたいと思います。
~~~~~~~ココから~~~~~~~
まだ見ぬ介護者へ
私はすべてを失ったわけではありません
どんな事でも、ます問いかけてみてください
何でも、まず私の意思を確認してください
食べる、食べない、行く、行かない、暑い、暑くない?
どうしたのって、聴いてみてください
訳のわからない事を言うかもしれませんが、私は病気です
痴呆状態にあるのです、進行性の難病といってもいいでしょう
察してください、ようく見てください
私はすべてを失ったわけではありません
まだまだ若い者に負けない事もたくさんあります あると思います
でも、若い頃とはおなじようには出来ないでしょう
あせらないで、じっと見ていてください
見ていて、少しだけ手を貸してください
人間の機能や能力は使わないと使えなくなると若い頃に聞きました
生きるために戦う力はまだまだ・・・・・・・
私はすべてを失ったわけではありません
外だって自由にでたがるでしょう、雲や星が好きです
外に自由に出られるようにしてくれさえすれば、自分で出かけます
でもきっと目的地にはつけないでしょう 戻れなくなるでしょう
そっとついてきてくれると嬉しいです
とまどったり、不安げになったら、そっと傍にきて
どうしたのって声をかけてください
きっとあなたの事が天使様に見えるでしょう
私のことを笑ってくれていいですよ
きっとおかしな事を言ったり、おかしな格好をする事でしょう
でもお願いです、陰で笑ったり、自分一人だけで、仲間同士だけで笑わないで
私にも笑っている訳を教えてください
きっと私も笑いの仲間に入り、いっしょにおかしむでしょう
だって、おかしい事はおかしいと 私にもわかるから
私はすべてを失ったわけではありません
私の事を痴呆性老人なんで呼ばないでください
私の名前は、〇〇さんです
私の事をワガママなんて言わないでください
私もあなたと同じ人間です
ただ痴呆という難しい状態になっただけです
私の努力では、とめられないんです
~~~~~~~ココまで~~~~~~~
いかがでしょうか?
認知症は、突然発症する方もいれば
ゆっくりと進行していく方もおられます。
御家族や大切な方の、ほんの少しの些細な変化を
気付けるのは、ひょっとしたらアナタだけかもしれません。
この記事を、心の片隅にある小さな引き出しに
そっと入れておいて頂ければと思います。
※この資料は2005年1月に掲載された資料です。
2004年12月厚生労働省が「痴呆」に変わる用語として、「認知症」を選定しました。